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みんなのレビュー:4  Great Big Kiss

都市色さんが書かれた全曲レビューです。

greatbigkiss.jpg gbk.jpg
Great Big Kiss (左:2000年発売盤、右:リメイク盤)
左:2000年11月11日発売  SOL.A.1101
右:2007年2月より再発売  TTCD-00005 


僕がここ数年来、一番聴きたかったCDを手に入れた。


2005年晩秋に亡くなったシンガーソングライター、“Mr.melody factory”こと高橋ひろさんの個人レーベルの3作品が彼の死後、ようやく正式にリリースされた。
三枚のうち二枚はこれまでの作品の編集、再リリース盤。そしてもう一枚はひろさんが亡くなるまで専念されていたシングルの制作によって生まれた遺作。

まずはその中から一枚、2000年の秋に発表されたミニアルバム「Great Big Kiss」。
この作品はひろさんの当時のライブで会場やファンクラブ経由でのみ入手可能だったけれど僕は残念ながらこの作品を聴くことが出来なかった。制作されてから約5年過ぎ、ようやく入手する幸運に恵まれ感激している。
内容は正に高橋ひろの王道ともいえる出来。大好き!

と云う訳で冗長で散漫な解説。しばしのお付き合いを。


1.「イチゴのくちびる」
4カウントからザ、ザ、ザザーと元気なギターのストロークが印象的な挨拶代わりの陽気なオープニングソング。
シングル向きのノリノリな感じ。
ライブで一度だけ聴いたコトがある。
資生堂の春のイメージソングに是非採用して頂きたい。


2.「待ち合わせ」
これぞ高橋ひろの真骨頂といえる珠玉のバラード。ハンカチのご用意を。
夕暮れどき、家路を急ぐ人々の絶えない駅のラッシュに紛れ、これから一人の男が密かに想いを寄せる女性に告白しようとしている。この気持ちを伝えてしまえば善くも悪くもこれまでと違う人生が始まる。もう後戻りの出来ない分岐点に立つ男の諦観がシリアスに重厚に描かれた歌だ。息が詰まるような男の胸の内の寄る辺無さがひしひしと伝わる。
とても共感出来る世界だ。こんな歌を書けるひろさんは本当に凄い。ひろさんの観察眼の鋭さ、表現力の見事さ。「にじんで見えない」に通じる世界観。
この曲も一度だけライブで聴いた。泣けた。

3.「honey 僕の人生に何が」
打って変わって、再びポップな楽しいナンバー。
恋に落ちた男の恋の始まりの心境がユーモラスに歌われている。まるでポールマッカートニーのように屈託のない無邪気なシリーラブソング。60年代のヒット曲のような可愛い曲。コーラスも楽しい。
偶然だろうけど歌詞に「いいね いいね~」と出てくるけどひろさんも横山剣さんに比肩する程の才能を持ったシンガーソングライターだということを僕は知っている。年代も近いし。どちらもデビュー前にメジャーなバンドの末期に在籍していたと云う過去を持つ。

4.「君のジンクス」
’98年のシングル「ソーダファウンテン」に収録された曲。この曲は地味だけど聴けば聴く程心に響く。生きる事に悩む隣人の心の重荷を少し軽くしてくれるような優しい眼差しに満ちた曲。ひろさんの人柄がにじみ出ている。

この曲が終わるとひろさんの一人多重コーラスのアカペラによるビーチボーイズの「mama says」(「wild honey」収録)の短いカヴァーが。
因みにひろさんがアマチュア時代に組んでいたバンド「popsicle」でもこの曲と関係のあるビーチボーイズの「vegitables」を完コピしている。

5.「あの娘に二度kiss」
ビーチボーイズ関連と云う事か次の曲はサーフィン・ホットロッド・サウンド仕立ての爽やかなナンバー。ひろさんお得意のコーラスが存分に発揮されている。
ビーチボーイズファンには是非聴いてもらいたい曲。ひろさんのファルセットボイスも素晴らしい。

6.「青林檎」
名残惜しい最後のナンバーはひろさんのアイドル野口五郎さんの曲のタイトルを彷彿させる。曲調も70年代の歌謡曲風の哀愁ただよう懐かしさ。こういう曲を書かせてもひろさんは最高だ。筒美京平さんが書きそうな曲をさらっと書いてしまう。凄い!

どの曲も芳醇な美味しいメロディに溢れている。
良い唄、良い旋律、良い編曲の三拍子揃った健全な黄金ポップス。

現代の貧相なガリガリのメロディ不足のJポップが可哀想なくらい。

このアルバムに不満があるとすれば録音が悪い事だ。殆どの演奏をひろさん自身が担当していること、そしてインディーズからのリリースと云う事が理由だけれど。これらの作品がメディアレモラス時代のレコーディング環境で制作されたらと思う。そんな事は僕が指摘するまでもなく、勿論ひろさんも自覚されていた事だろう。

ひろさんの作る音楽というのは悪い言葉で言えば“商業音楽”“大衆音楽”。
売れてなんぼの世界の音楽、それがポップスだ。ひろさんが尊敬する筒美京平さんは移り変わりの激しい商業音楽の世界でサヴァイヴされてた。

ポップスの主戦場はやはりメジャーの大手のレコード会社。
ひろさんがメジャーから離れた後、あれだけの創造力を持ちつつもアルバム制作に積極的じゃなかったのは体調の問題もあったろうと今では思うけれど、その他に、メジャーでの活動に拘っていたコトもあると思われる。

ひろさんの目標とする音楽はギター、ベース、ドラムのシンプルなアンサンブルで“せーの”で出来る音楽じゃない。
メジャーでの三枚のアルバムの完成度を聴けば分かる事。
録音の専門家のエンジニアを起用して、ストリングス、ホーン、そしてコーラス等のアレンジに凝って、設備の整ったスタジオを贅沢に使った制作費のかかる音楽だと思う。
メジャーの会社から大きな資本を投下された音楽の良さが歌謡曲にあるし、ひろさんの好きな大衆音楽もそうだ。

そういう音楽環境へのこだわりが人一倍あっただろうと思う。それが完璧主義のひろさんのプライドなのだとは想像に難く無い。そういう環境で音楽を創ってきた大滝さんや達郎さんへの憧れというか彼らに負けない音楽への情熱、闘志をもっていたと思う。

だから出来ればひろさんの残された音源もいつか全てメジャーからリリースさせてあげたいなぁ、と思う。

こんな素晴らしい才能を放って置いたレコード会社を未だに僕は快く思っていない。


この作品はポップスファンへの最高の贈り物だと思う。
一人でも多くこのCDを聴いて欲しいと思う。
ひろさんの音楽の素晴らしさに触れて欲しいと願って止まない。
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